腸と脳の関係に着目したマイクロバイオーム治療開発に注力する米ホロバイオーム社にコランダム・システム・バイオロジーが投資

2021.06.22

スタートアップ企業へ初めての直接投資

株式会社コランダム・システム・バイオロジー(東京都港区、代表取締役社長:大竹秀彦、以下、コランダム・システム・バイオロジー)は、マイクロバイオーム治療法の開発を目的にし、前臨床段階のライフサイエンスに特化している米スタートアップ、ホロバイオーム社(Holobiome,Inc.、米国マサチューセッツ州ケンブリッジ、CEO: Dr. Phillip Strandwitz)に投資しました。今回の投資は、コランダム・システム・バイオロジーが投資を行うために設立されたCSB-1ファンドを通じて行われたもので、ホロバイオーム社のシードステージの資金調達に投入されました。この取引は、コランダム・システム・バイオロジーの初めて行う企業への直接投資となります。

ホロバイオーム社は、米マサチューセッツ州ケンブリッジに拠点を置き、腸と脳の相互関係に重点を置いた「ライブ・バイオセラピューティックス」(live biotherapeutics)の開発に注力しています。「ライブ・バイオセラピューティックス」とは生きた細菌を用いた療法のことで、自然に存在するヒトの細菌を活用する新規治療法を指します。

マイクロバイオーム科学をアカデミアの枠を超えて発展させるために、3人の微生物学者が2018年にホロバイオーム社を立ち上げました。その1人がCEOを務めるフィリップ・ストランドウィッツ(Phillip Strandwitz)博士です。数多くのヒトマイクロバイオーム分野の研究で賞を受け、同社のコアテクノロジーを発明した科学者です。米ノースイースタン大学(NEU)の生物学特別教授・抗菌剤発見センター所長のキム・ルイス(Kim Lewis)博士も共同設立者の一人です。ルイス博士はストランドウィッツ博士の博士課程での指導教官でした。また、同じNEUのルイス研究室の同僚として研究を進めた抗菌薬耐性と創薬の専門家であるマイク・ラフルール(Mike LaFleur) 博士も共同設立チームに加わっています。

設立以来、ホロバイオーム社は健康に重要な生物学的標的を調節する細菌を特定し、迅速な開発に努められるように、プラットフォームの構築を重視してきました。このメカニズムファーストのプラットフォームは、腸内シミュレーターと「ホロバイオーム・マイクロバイオーム・アトラス」と呼ばれる、ほぼすべての既知の分類群にわたるヒト腸内の菌株のコレクションで支えられています。また、このプラットフォームを最大限活用できるよう、世界的な研究者で構成された科学顧問委員会が設立されています。委員として参加している科学者には、ジャック・ギルベルト(Jack Gilbert)博士、イレーン・シャオ(Elaine Hsiao)博士、ディエゴ・ボホールケズ(Diego Bohorquez)博士とジョージ・チャーチ(George Church)博士がいます。

コランダム・システム・バイオロジーの大竹秀彦社長は次のように述べています。「人間の腸と脳の関係がホロバイオーム社によって研究され、微生物を利用した治療法の可能性が急速に展開されていることは、啓発的であり刺激的です。コランダム・システム・バイオロジーがホロバイオーム社の新規投資家となることは、光栄な事です。国境を越えた研究協力の機会を広げるために、必要に応じて追加支援なども検討しています。」

ホロバイオーム社のストランドウィッツCEOも、次のように述べています。「ホロバイオーム社の成長と事業推進にコランダム・システム・バイオロジーからかけがえのない支援を得られました。コランダム・システム・バイオロジーとホロバイオーム社は、マイクロバイオームの研究開発が健康への理解を変え、人類にとって破壊的な病気と闘うことができるという信念を共有しています。コランダムが持つ国際的なネットワークは、計算生物学、マイクロバイオーム、神経科学分野のリーダーへと広がります。ホロバイオーム社を成長の道に乗せ、微生物療法の製品群を構築していく上で、大事なパートナーとなるのは確かです。」

今回のコランダム・システム・バイオロジーの投資は、ホロバイオーム社のリード化合物の製造支援、探索プログラムの前臨床試験の推進、また同社のプラットフォームの拡大に充当されます。

コランダム・システム・バイオロジーの他に、Alexandria Venture Investments、iSelect、またエンジェルシンジケートなどがホロバイオーム社に既に投資をしています。また、ホロバイオーム社はジョンソン・エンド・ジョンソン(Johnson & Johnson)との2つの研究開発パートナーシップを組んでおり、アムジェンがスポンサーとなるゴールデン・チケット(Amgen Golden Ticket)を得ています。米国国立衛生研究所(National Institute of Health)、トランスレーショナル・リサーチ・インスティテュート・フォー・スペース・ヘルス(Translational Research Institute for Space Health)、マサチューセッツ生命科学センター(Massachusetts Life Sciences Center)、及びクイーンズランド州バイオメディカル・バウチャー・プログラム(Queensland Biomedical Voucher Program)からの公的助成金による支援も受けています。コランダム・システム・バイオロジー は、次世代のライフ サイエンス テクノロジーを解き放ち、人間の健康と生活の質を向上させるための重要な分野としてマイクロバイオームを位置付けています。同社は、新規事業の開発、生体データベースの構築とデータ分析プラットフォームの開発、研究開発の促進と迅速化のための助成金の支援を通じて、マイクロバイオームの進歩を世界的に支援しています。 (https://www.csb.co.jp/

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  • 株式会社コランダム・システム・バイオロジー
  • 広報担当 marketing@csb.co.jp
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